九州の5つの物語が、いま、新しい未来を照らし出す。
先人たちの知恵に触れ、土地の恵みを味わう旅へ。
険しい山間地でありながら、針葉樹と広葉樹を組み合わせた林業や、伝統的な棚田、そして山腹を縫う水路。ここでは神楽の舞と共に、山と共に生きる独自の農林業システムが今も息づいています。
火山の力強い大地のうえに広がる、日本最大級の草原。人の手による「野焼き」が千年以上もの間、草原の景観と多様な生態系を守り抜いてきました。あか牛が食むその草地は、まさに人と自然の共生の証です。
雨の少ないこの地で、先人たちはクヌギ林を育て、無数のため池を繋ぎました。クヌギが水を蓄え、シイタケを育み、その水が田畑を潤す。無駄のない「循環」が、美しい里山の風景を形作っています。
宮崎の冬の風物詩、巨大な竹の櫓に真っ白な大根が並ぶ風景。鰐塚山(わにつかやま)から吹き下ろす寒風を利用した伝統の「干し大根」作りは、まさに自然の力を最大限に活かした「畑の芸術」です。
獲りすぎず、資源を守る。日本一の近海カツオ一本釣り漁業は、魚群を探し、一尾ずつ釣り上げる伝統の技。海を愛し、海の未来を想う日南の漁師たちの精神が、この地の食文化を支えています。